卓球・平野美宇選手のお母さん、平野真理子さんが、著書「美宇は、みう」で、褒める・叱るの割合について語られています。

子育てにおいてなかなか難しいこの問題を、真理子さんはどのように考えているのでしょうか?
 
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美宇は、みう。 ―夢を育て自立を促す子育て日記
 
同書の40~43ページから、一部を抜粋して紹介します。
 

褒める・叱るのバランスは3対1で 順番も大事 親の側にも良い効果が

真理子さんでも、つい感情にまかせて言葉をぶつけてしまったことがあるそうです。

子育てをしていると、わが子についイライラしてしまうことって、ありますよね。
 
「何でこんなことができないの?」
「どうして何度も同じことを言わせるの?」
 
私もそんな風に感情的な言葉を娘たちにぶつけ、自己嫌悪に陥った経験は数知れません。
 
でも、だからこそ人生の先輩や頼れる友人が教えてくれたことがたくさんあって、何とか母親業をしてこられました。
 
さじ加減が難しい、子どもの褒め方と叱り方もその一つでした。
 

そんな真理子さんが行き着いた、褒める・叱るの結論はこちら。

その中に、特にこれはと思うポイントが三つあります。
 
まず一つめは「褒める」と「叱る」のバランスは三対一。この二つはセットと考え、一つ叱る時は、先に三つ褒めます。
 
子どもは叱られてばかりだと、素直に親の言うことを聞けなくなるばかりか、自己肯定感が薄くなって自信を持ちにくくなるのだそうです。
 
私も美宇や世和、亜子を叱る時には、褒めることを先に三つ探すように心がけています。いわゆる「飴とムチ」の考え方です。
 

このやり方は、叱る親の側にも良い作用があります。

難しいと思われるかもしれませんが、褒めることを探しているうちに意外と親の方も冷静になることができるので、感情的な言葉をついぶつけてしまうという失敗を避けるという別の効果もあり、オススメです。
 
この考え方は、私が教員時代、静岡県立中央特別支援学校に勤めていた時の同僚の先生から教わったことで、それを私は子育てだけでなく卓球の指導でも活かしています。
 

「何を」「なぜ」を伝える

具体的には、このように対応します。

例えば、こんな具合です。
 
いきなり大きな声で厳しく注意するのではなく、先に良かったところや昨日より成長したところを褒めてあげて、そのあとでこれから直すところを穏やかに話します。
 
すると子どもは、私の話を集中して聞こうとします。お互い気持ちよく話ができるし、その方が指導効果も高いように感じています。

そして大事なのは、褒める・叱るいずれの場合でも「何を」「なぜ」を伝えること。
 
真理子さんはこれを常に意識しています。

二つめは「何を」と「なぜ」をしっかり伝える。
 
何がよかったか、あるいは何のことをどうして叱られているのかを子どもに理解させます。そこがわかっていないと、褒めても叱っても無駄なのだそうです。
 

こうした意識が強くなったのは、美宇さんの性格も関係していました。

私にとって美宇は初めての子育てで、いくら叱っても美宇自身は何が何だかわかっていないことがありました。
 
特に美宇はマイペースですから、いまだに私の言葉がちゃんと届いているのかわからないことがあるくらいで、私もまだまだ修行中。
 
褒める時も叱る時も、「何を」「なぜ」を伝えるように心がけています。

褒める・叱るのは「すぐにその場で」

タイミングも重要です。

三つめは、今、その時がチャンス。
 
子どもを褒める時はその場で褒める、叱る時もその場で、が鉄則です。
 
時間が経ってからだと自分の何が良かったのか、何が良くなかったのか、子どもは正確に思い出せないのだそうです。
 

真理子さんの体験も語られています。

美宇も五歳ぐらいの頃、あいさつの声が小さいことをよく注意しましたが、「今日、〇〇さんとすれ違った時、『こんにちは』の声が小さかったよね?」とあとで言っても「ちゃんとしたよ」と本人は言い張ります。
 
そこで、「大きな声でちゃんとできたなら、相手の方から返事があるはずたよね?ちゃんと返事あった?」と聞いても「覚えてない」で終わり。これじゃ、いくら叱っても暖簾に腕押し、効き目はありません。
 
「あの時」や「この時」は子どもには通用しないのです。子どもにとって、褒められるのも叱られるのも成長のチャンス。鉄則は「鉄は熱いうちに打て」です。

「うるさい母親」に美宇さんから感謝の言葉

こうした親からの言葉の真意は、ちゃんと

こんなことを言っている私は、きっと娘たちにとってうるさい母親でしょう。でも親として、一人の大人として、その子の人生に関った責任があります。
 
それは卓球スクールの子どもたちに対しても同じで、特に練習の姿勢やあいさつ、返事、周囲への気配りなどがとても重要だと答えていました。
 
「母は卓球よりも生活面の方が厳しかったんです。寮生活するようになった今、そのことにとても感謝しています」
 
私のお小言、ちゃんと届いていたんですね。