「子供がやらなきゃいけないことをいつまでもやらない」と嘆いている親御さんは多いのではないでしょうか。
ついつい叱ってしまいたくなりますが、ただ「やりなさい」と言うだけでは、根本的な「やらない理由」は解決されません。
教育評論家の親野智可等さんは、子供が”やらない”理由は三つあるとしています。
その理由と、できない理由を解消するためのチェレンジシートに作り方を紹介します。
・親野智可等さんの著書など一覧
やらない理由三つ
理由その1 理由がわかっていない
どうしてやらなくてはいけないのか、がわかっていなければ子供はやりません。
いい例は歯磨きです。
学校の授業で、虫歯の画像や原因となる菌の映像などを見せると、子供は自発的に磨くようになります。つまり、子供も納得すればやるようになるのです。
理由その2 何をすればいいかわからない
「こんなふうになりたい」といった目標があっても、具体的に何をすればいいかわからなければ、当然ですが実践はできません。
上の歯磨きの例であれば、虫歯の写真を見せて「虫歯は痛そうだ。虫歯を予防しよう」という目標ができても、やり方がわからなければ、歯磨きはできないのです。
理由その3 能力的な問題
子供は大人と違って自己管理能力が低く、作業工程の段取りをつけるのは困難です。
宿題をする前にゲームを始めて夢中になり、宿題を忘れてしまう、といったことはよくあります。
これらの「できない理由」を解消するために、親野さんはチャレンジシートを作ることを勧めています。
その作り方を紹介します。
チャレンジシート作成でおさえたいルール3つ
チャレンジシートを作る際には、3つのルールがあります。
これらをおさえておけば、独自にルールをプラスするなどの加工を施してもOKです。
子供と話し合う
子供と話すことで、子供自身がどうなりたいのか、目的意識を持たせて目標を設定する。例えば
「いつも散らかっている部屋をキレイにしたい」
「運動会ではリレーの選手に選ばれる」
などですね。
そしてその達成のためにするべきことを「約束」として明確にしましょう。
目標と具多的な約束を紙に書いて貼る
上の例でいえば、「整理整頓」などの抽象的なスローガンを紙に書いてもあまり良くありません。
それよりも、「晩ご飯を食べたら5分間部屋を片づける」「朝20分走る」など、いつ何を、どれくらいの時間をかけてやる、といった具体的な約束を作りましょう。
「部屋をキレイに」「リレー選手になる」といった目標と、上の具体的な約束を一緒に紙に書き、よく目につく場所に貼っておきます。玄関やトイレ、冷蔵庫などに貼っておいて常に意識させ、うっかり忘れを防ぎます。
目標をクリアできたら印をつける
クリアした目標にシールを貼っても良いでしょう。子供が「できた!」という達成感を得られます。小さな達成感を積み重ねることで大きな目標達成につなげられます。
このように「目標」と「達成のための具体的な約束」を「見える化」する習慣がつけば、自己管理する力が身につきます。
「何をすればいいのか」を考えて実行できるようになるので、成長する過程で経験するスポーツや勉強・受験、就職活動などでの試練を自力で乗り越えやすくなります。