前ページの続きです。
 
このページでは、子供のコーチングにおける三つのキーワード

■愛すること
■責任
■人の役に立つ喜び
 
の最後、「人の役に立つ喜び」について、菅原裕子さんの解説を紹介します。

人の役に立つ喜び 「ほめる」ことの危険性も指摘

子供がお手伝いをすると、当然大人は「ほめる」わけですが、そのやり方によっては子供に良くない影響を与えるようです。

「人の役に立つ喜び」とは、人間が本来持っている「誰かの役に立ちたい、誰かの力になりたい」という気持ちが満たされたときの、喜び、心地よさ、満足感のことです。
 
「ほめて育てる」という考え方は、場合によっては非常に危険です。


例えば、子供にお使いを頼んだとしましょう。帰って来てから、親に「お手伝いができて、えらいね」とほめられた子供は、どうすればまたほめてもらえるかを考えます。
 
もしかしたら、ほめてくれる人がいる場所でだけ、誰かの役に立とうとするかもしれません。
 

 
「お手伝いしてくれてありがとう、おかげで助かったわ」と喜ばれた子供は、どうすればまた相手の役に立てるかを考えます。
 
子供の能力を認め、その能力に助けられたことに感謝すると、子供はもっと誰かを喜ばせようと、自分の力を人のために使おうとします。
 
最終的には目に見える形で感謝されることがなくても、「誰かの役に立てることが嬉しい」と感じるようになります。
 
これは、やる気や思いやりにつながる、非常に健全な動機付けです。

「子供のコーチングにおける3つのキーワード」の菅原さんの解説は以上です。
 
次のページでは、適切なコーチングによって育まれる子供の能力をまとめます。