大阪市立大学の北浦かほる名誉教授は、環境心理学者M・ウルフの「子供の自律を育むために必要な子供部屋の要因」を紹介しています。
 
日本ではコミュニケーションや協調性を重視するあまり、「子供をひとりにすること」の重要性が軽視されることもあります。
 
欧米では、子供が孤独になる時間は自律を養い、精神面の発達を促すために重要と認識されています。
 

現代の子供はそうした時間のほとんどを子供部屋で過ごします。そのため、子供部屋には自律を養う機能を備えているのが理想なのです。
 
北浦かほる教授の著書など一覧
 
北浦教授は、ウルフが挙げる子供部屋の機能として以下の4つを紹介しています。

子供の自律を促す4つの機能

ウルフは、子供の成長を自律の側面からとらえています。
 
他者との関わり方、自分の守り方、他者を認める協調性などは、自律の能力とともに向上していきます。
 
その力を養うため、子供部屋に求められる機能や要因があります。以下に4つまとめます。
 
太字は低年齢児の寝室に必要とされる機能を表しています。

考え事をする

ひとりでイメージを膨らませたり、空想することで発想力を鍛え、self-identity(自己同一性)養うための場として子供部屋が機能します。
 
・考え事をする
・空想したり、ボーッとする

・本を読む

空間への接近のコントロール

他人の侵入を自分の意思で拒否できる場所や、他人に邪魔されない自分だけの「個」の空間は、どんなに小さな子供にも必要です。子供部屋は、まさにそのための空間として機能しなくてはいけません。
 
・大切なものをしまう
・ポスターを貼る

 
・誰も入って来ない
・あなたの許可なしには誰も入って来られない
・入ってくる人を選べる
・誰も入ってきて欲しくない
 
・特別な人だけが入ってきてもいい
・あなたが居る時に入ってきてほしくない
・あなたがいない時に入ってきてほしくない

行動の選択

したいことが自由にできる場所として、子供部屋が機能します。
 
音楽やラジオを聴くなど、自分が好きなことをするだけでなく、叱られた時、腹が立った時などに閉じこもり、気を鎮めるための空間でもあります。
 
・腹が立った時に行く
・ひとりになれる

 
・したいことが自由にできる
・そこでしかできないことをする
・音楽やラジオを聴く

狭義のプライバシー

プライバシーを守り、聞かれたくないこと、見られたくないことができる場所としての機能です。
 
・着替えをする
・寝る
・勉強する

 
・手紙や日記を書く
・電話をする
・聞かれたくない話をする
・見られたくないことをする
 
 
以上の機能を満たすには、広いスペースや高価な家具、高機能の家電などは必要ありません。