雑誌「週刊新潮」平成29(2017)年3月30日号に、東京大学受験と横浜翠嵐高校についての特集がありました。
 
教育ジャーナリスト・おおたとしまさ氏の記事です。
 
一部を要約・抜粋して紹介します。
 

東大合格者数は、毎年3月10日に発表されます。
 
2015年までは、前期合格者発表後の3月中旬に前期速報が、後期合格者発表後の3月末に「前期・後期速報」がそれぞれ発表され、さらに4月に入って「前期・後期確定版」が発表される”三段階方式”でした。
 
それが16年からは後期の発表がなくなりました。東大が100人定員の後期試験を廃止し、代わりに推薦入試を設けるようになったからです。
 
推薦入試は全国の各高校に男女一人ずつ枠があり、男子校、女子校は1人ずつ、共学校なら2人までエントリーできます。
 
推薦入試は一般入試よりも地方校や女子の割合が高いと言われている理由がこれです。
 
以前は小論文などを課す後期試験でも開成や灘が多数の合格者を出してきましたが、現状の推薦入試制度が続けば、合格者数の増加は見込めません。
 

 
ちなみに、東大の合格者数には「隔年現象」と「7年現象」と呼ばれる傾向があります。
 
隔年現象とは現役合格者が多い年は数が伸びますが、その翌年は浪人生が少ないので合格者数が減ることです。
 
7年現象とは、東大合格者が多かった翌年の中学入試では倍率が上がり、優秀な生徒が集まります。その年に入学した生徒たちが卒業するときにまた東大合格者が増える現象のことです。高校だけの学校の場合は「4年後現象」になります。
 
 
2017年に東大合格者数を大きく伸ばした高校のひとつに、神奈川県立横浜翠嵐高校があります。
 
今年の東大合格者数は34人で、昨年の20人から一気に増やしました。同校では過去最多の合格者数です。
 
神奈川県の公立高校ではトップの数であり、2位の湘南をほぼダブルスコアで引き離しています。
 
 
横浜翠嵐高校は学習管理を徹底しています。1年生に配布されるプリントには、次のようにあります。

「最初(4月)にどんな絵を描くか」の”基準”は極めて重要です。
 
この”基準”があなたの3年間を左右します。途中から「基準を変更」したり「目標値を上げる」ことはできません(ほぼ不可能です)。

平日は学年+2時間、休日は学年+4時間の家庭学習を必ず実行するように、としてこのように続きます。

「この裏付けなしに、高い進路目標の実現はありえません。(毎月、学習時間調査を行います)」
 
「気が緩む暇はありません。(スマホ、ゲームは1日30分だけ・・・。本当にそんな暇はありますか?)」
 
「すべての学習の指示を本校から出します」
 
「日々の予習・復習や宿題の指示がたくさん出ます」

進学先のターゲットは国公立大学、具体的には
 
「東大、東工大、一橋大、旧帝大、国公立医学部」
 
と明確にしていて、さらに「本校では『私立大推薦受験を目指すこと』は勧めていません」と明快です。
 
記事を書いたおおた氏は

言い回しは東大合格専門塾のそれにそっくりだ。
 
塾に頼るな、人に頼るなというメッセージを投げかけてはいるが、実質は学校が塾の役割までをも担っている印象を受ける。
 
東大をはじめ難関国公立大学に合格することのみを目標にするのであれば、学費は安い、塾代もかからないという点で、神奈川県の保護者にとってこれ以上の学校はないかもしれない。

としています。
 
このコンテンツは週刊新潮 平成29(2017)年3月30日号55~58ページを参考にしました。
 
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