東大に合格する子の多くが受験会場に持参する「お守り」があります。
それは、その日までの努力の結晶ともいえる”ノート”。
試験当日まで工夫を凝らした、自分だけのノートを見返すのです。
(このコンテンツは雑誌週刊文春 2015年3月5日号147~149ページを参考にしています)
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東大合格者が作る2種類のノート
高校生のスマホ所有率は8割を超えている現代でも、東大合格の基本はいまでも手書きのノートなのです。
「東大合格生のノートはかならず美しい」や「東大合格生の秘密の「勝負ノート」」などの著書がある太田あやさんによると、東大生のノートには
”全ての情報が整理され、最初から最後までテンションが変わらない”
という特徴があるそうです。
・太田あやさんの著書一覧 レビュー多数あり(楽天市場)
そして「勝負ノート」には大きく分けて授業復習型、問題復習型の二つがあります。
前者は授業中の板書などを写したノートに、模擬テストや問題演習で間違えた問題や授業以外で得た知識を書き込んだり、新たに別のノートにまとめ直したりして一元化したもの。
自分にとって頭に入りやすい形で知識を整理した、いわば自作の「参考書」です。
後者は模擬テストや問題演習で間違えた問題を復習したノートです。
間違えた問題とその解答、どうして間違えたのかという理由まで書き込みます。
弱点だけを集めた、自分のための「問題集」です。
「授業復習型」の作り方の一例
板書を写す際に余白を作っておきます。
そして復習する際に、その余白に
・資料集の地図を書き写す
・資料を貼る
といった作業を行い、知識を補足します。
テストの最中は、頭の中でノートを連想しながら知識を思い出します。
まずは自己分析 その後復習型 問題復習型ノートを徹底活用
本格的に受験勉強をしたのはわずか一年間ながら、東大の理一に現役合格した、男子高校生がいます。彼は在籍していたサッカー部の活動は高三の6月まで続けています。
高二の1月から予備校に通いはじめましたが、当時の成績は毎年約30人が東大に現役合格する私立海城高校で、288人中120番台でした。
このままではダメだと考えた学生は、成績上位の子を分析し、二つのタイプがあることを発見します。
ひとつは天才タイプ。勉強していないように見えるのに成績がいい。
もうひとつは自分をとことん分析して客観視するタイプ。
前者になるのは難しいですが、後者は努力次第で実現可能です。
そこで学生は手のひらサイズのノートに、勉強の日程や模擬テストの反省点を綴り、自己分析をはじめました。
・毎日の課題は自分の限界よりも多めに設定
(簡単にこなせる量だとサボッてしまうから)
・問題を解く際は、実際の入試で解答するように丁寧に書く
(端折ると理解できずかえってムダ)
・基礎レベル、標準レベルを完璧に、難問は捨てる
(解けない難問に時間をかけている余裕はない)
高三の春の時点では数学の標準レベルもおぼつかなかったのですが、この方針を徹底して焦らず夏に基礎を固めました。
その結果、成績は70番台までアップします。
10月から4ヶ月間、予備校の授業復習ノートを徹底し、40番台に。
受験直前期には、高三になってからの模擬テストや過去問演習で間違えた問題と解き直しをまとめた復習ノートが大活躍しました。
問題復習型ノート書き方例とさらに進化させたノート
「書き始める前に構造を考える!」
「違いを聞かれていたら、両者を対等に扱う!!!」
「細胞名を書く。細やかな気配りを!」
これは14年に理二に合格した学生の生物の問題復習ノートに書かれた論述問題の解法ポイントです。
多くの東大合格者の勝負ノートには、知識だけでなく、こうしたポイントや心構えもメモしてあります。
問題復習ノートを、さらに進化させる学生もいます。
解けなかった問題ばかり書き込んだ復習ノートも、繰り返し見ていれば解ける問題が増えていきます。
すると、例えば8割解けるようになったら、その部分ばかり目がいくようになってきます。
そこで、残り2割だけをまとめたノートを作り、更なる効率化を図るわけです。
当然ノートのサイズは小さくなっていきます。A6サイズのノートを使う学生もいます。
弱点だけを書くノート
幼少期から一度も学習塾に通わず、自力で最難関の理三に合格した、ある学生のノートも特徴的です。
高校三年間の学習内容を高二で終え、受験直前期にはあらかた頭にはいっていたため、弱点のみをまとめたノートを作りました。
忘れがちな用語などを入試直前に確認するために、受験教科の弱点を一冊にまとめたのです。
とにかくノートに書いて覚え、チェックするを繰り返すため、随時入れ替えられるルーズリーフを活用しています。
東大生のノートに関する記事は以上です。
東大はじめ難関大学を志望する学生は参考にしてみてはいかがでしょうか。