前のページでは、心理学博士の榎本博明氏が大学での講義中に近年遭遇している、「驚くべき大学生の言動」について紹介しました。
 
このページでは、企業研修や講演後、榎本氏に寄せられた深刻な相談例を挙げます。
 
榎本氏は、これらの現象の元凶は「ほめて育てる」という思想ではないか、としています。


 
榎本氏が実際に受けた相談例の続きです。

「うちはIT企業でも厳しくない方ですが、今年の新人は早くも研修中にパニック発作を起こしました。それ以降、誰も何も言えなくなっているです。昨日、その新人が書類の書き方を間違えていたので、『こうやってね』と気を遣いながら伝えました。すると見事に翌日から欠勤で・・・上司から『お前が厳しいこと言ったんだろう』と責められるのが目に見えて、もう嫌です」(IT企業社員)
 
子どもが反抗的で困ってます。何でも認めるわけにいかないから、ちゃんとダメと言いたいんですけど、子育て雑誌には『何でも受け入れるように』ってメッセージばかり」(子育て中の主婦)
 

 
こうした現象の元凶は「ほめて育てる」という思想なのではないか。「自己肯定感が高まる」と期待され、1990年代に欧米から”輸入”した教育法が、日本社会においては何らかの理由で様々な歪みを引き起こしているのではないか。そのような仮説をもって、国際比較データや最新の教育心理学的な調査・実験結果をひも解きながらまとめたのが『ほめると子どもはダメになる』だ。
 
題名からお察しの通り、見えてきた事実は巷間言われていることと真逆だった。「ほめても自己肯定感は育たない」「欧米の親は優しい、は大誤解」「母性の暴走が弊害の元」・・・。「ほめる」思想が家庭、学校、職場と社会の隅々にまで浸透した事態は深刻だ。今すぐその弊害に気付くべきである。渾身の思いを込めた警告の書を、子育てや教育・人材育成に関わる方々にお読み頂きたい。
「波」2015年1月号より抜粋

管理人としては、「ほめる」ことは大事だと考えています。
 
しかし、子供のどんな言動に対しても「受け入れる」「ほめる」では絶対にダメです。上にあったような、「何でも受け入れる」姿勢が子育て雑誌で推奨されているのであれば、それは違和感を感じます。
 
もしもあなたが同じように感じるのであれば、榎本氏の著書を参考にしてみてはいかがでしょうか。
 
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