理数系専門塾エルカミノ代表の村上綾一さんが、著書「中学受験で成功する子が 10歳までに身につけていること」で子供のケアレスミスをなくす方法について解説されています。
ミスに対する子供の考え方や、親が対処する上での注意点もわかります。
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中学受験で成功する子が10歳までに身につけていること
※サンプルを読む・Kindle版あります
同書の162~165ページから一部抜粋して紹介します。(この本は参考になりますよ!)
低学年ならスピード優先 子供がケアレスミスを気にしない理由
低学年であれば、ケアレスミスの解消よりも優先することがあります。
低学年のうちは、ケアレスミスをしてもいいから、スピードを上げることを優先します。
そしてケアレスミスをしたからといって、口うるさく言わないことも大切です。
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村上さんは「子どもは大人ほどミスを気にしていない」としています。
というのも…
「『ケアレスミスをしないようにしようね』と子どもにくり返し言っても、いつも同じ間違いをして、いっこうに直りません。何か方法はないですか?」とよく聞かれます。
ケアレスミスがいかにもったいないか、つまらないものか、それでいて重大なことを引き起こしかねないか。実は、子どもは親が思うほどわかっていません。
大人はさまざまな人生経験から、ケアレスミスで悔しい目に遭ってきました。だからこそ、子どもにケアレスミスをしてはいけないと伝えます。
でも、これはただの先回り。子どもは、親にケアレスミスをしてはいけないと言われるから、ケアレスミスをしないようにしようと思っているにすぎません。
子どもには、親が思っているほどケアレスミスに対する危機感はないので、直らないのです。
大人は「なんてもったいないミスを!」と激しく後悔した経験がありますが、子供はそうではありません。
なので「大変なこと」という意識そのものが湧かないのです。
とはいえ、ミスするクセをそのままにはできません。
まずは重大さに気づき悔しさを感じてもらう
ミスがいかにマズいことか、まずは子供に気づいてもらいましょう。
対処法の第一ステップは、ケアレスミスの重大性に気づかせることです。
親が執拗にケアレスミスを注意するより、本人がケアレスミスで悔しい思いをすることのほうが効果があります。
たとえば、模試の結果を見ながら「一つのミスで偏差値がこんなに下がっちゃうんだよ」などと、数字で示しながら認識させましょう。
受験には「合」か「否」しかありません。「惜しい」はないのです。ちょっとしたミスで天と地の差が出ることを、教えていきます。
そのうち子どもも、ケアレスミスへの意識が高まってきます。
ミスへの意識が高まったら、ミスを無くす具体的な手段をとります。
対策は「子供自身が」ケアレスミスを書き出す 簡単でOK 絶対NGなのは…
村上さんのオススメは「子供が自分でケアレスミスを書き出す」こと。
意識が高まったら、第二ステップの”修正”です。問題集の余白、右上なら右上と決めて、犯したミスをひと言メモさせます。
「8×6を24としてしまった」「理由を聞かれているのに『~から』を書き忘れた」など、簡単なものでかまいません。
やがて、自分のしているケアレスミスの種類がわかってきます。
おそらく2~3種類でしょう。ようやく親に「また同じミスをして」と言われたことに思い当たるはずです。
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絶対にやってはいけないこともあります。
よく保護者の方が「『ミスノート』を作っている」と言います。「ミスノート」とは、子どものしたケアレスミスを親が書き出したノートのことです。
しかし、親が書き出したのでは、親に危機感や焦りが生じこそすれ、子どもの危機感は高まりません。
設問を読みながら、大事なところに線を引く、印をつけるなども、悪くはありません。
しかし、そのせいでスピードが削がれるくらいなら、どんどん解いて、犯したミスを書き出すほうが、直しやすいのです。
勉強のできる子にもケアレスミスはあります。
それでも成績が良いのは理由があります。
できる子はミスをしない、注意深い子どもだと思っていませんか。
できる子だって、同じようにミスをしています。しかし、スピードがあるので、同じ時間内に二度解くことができ、ミスを発見・修正しているにすぎません。
ケアレスミスをしているなら、それを注意するのではなく、スピードと学力を上げることに集中しましょう。やがて、ケアレスミスで失点することが減っていきます。
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スピードアップとケアレスミス対策は同時進行で意識しましょう。