このページでは、雑誌「週刊文春」の記事から、大学と卒業後の業界のつながりなどをまとめています。
大学のカラーや大学OBとのつながりは、就職・転職に大きな影響を与えるようです。
以下に記事のポイントを要約して紹介します。
(このコンテンツは雑誌「週刊文春」の2014年6月19日号140~145ページを参考にしています)
大学別 特色やOBとのつながりが就職に及ぼす例
大学の考え方や卒業生の動向は変化するので、あくまで参考としてご覧ください。
現在の大学はインターン制度も充実しているようなので、関心のある業種や会社に積極的に参加してみましょう。
日本大学
日本大学は、2011年からOB社長の組織化に取り組んでいます。
理事長のトップダウンで、首都圏近郊の社長約7千人に案内を送るようになったのです。それまではOB社長とのつながりをあまり重視していませんでした。
日大出身の社長は中小企業の2代目、3代目が多く、あらゆる地域で経済を下支えしています。そういうOBへの評価は日大への評価にもつながると考え、大学は社長達との連携を今後も強めていく方針です。
銭湯スパ「江戸遊」を複数店舗経営する平井要子氏は日大芸術部の写真学科で学び、その後博報堂に入社していす。
施設を作る際にはデザイナーと何度も意志疎通を図り、イメージを共有します。
これは平井氏によれば”日芸流”の経営方針です。
今は日芸全体では女性のほうが多く、写真学科は男性が211人、女性は295人ですが、平井氏の学生時代はクラスに女性は一人だけでした。
平井氏は社会に出てから、日芸の先輩達から多くのサポートを受けています。独特のセンスと連帯感が日大芸術学部にはあるのだとか。
近畿大学
昔から家業を持つ学生は多かったのですが、社長輩出数に特別敏感というわけではありません。意識的にベンチャーマインドを持たせる取り組みをするというより、近畿大卒業生48万人の存在が一番大きいと分析されています。
大阪工業大
社長輩出率では慶應大と並んで首位、関西の理工系では社長輩出数首位です。
伝統的に専門技術者育成を行っています。
昼間働きながら夜間に工業技術を学ぶ人のため、かつては夜間学部もあり、一部と同じ定員数を受け入れていました。
「プロを輩出する」という意識の高さからカリキュラムは厳しく、4年で卒業できる人のほうが珍しかったそうです。
その代わり、卒業したら即戦力で働けます。
同大のOB社長は、モノ作りの町である東大阪などで数多く活躍しており、学生とも積極的に関わっていて、会社説明会なども非常に意欲的です。
就職率は極めて高く、2012年は97.3%、13年は97.6%、14年は97,9%。9月や10月になっても内定が出ない学生にはOB社長に面倒をみてもらうことも。
帝京大学
全体ランキングではベスト30圏外の1466人(54位)ですが、30代社長に限れば11位にランクします。
IT系のベンチャー社長が多く、大学にも”起業”をキーワードに多くの発信をしています。
東海大学
総合ランキング9位の東海大学は、40代社長に限定すれば6位、50代でも7位に上昇します。
ジャスダックに上場している、音響・映像国内最大手企業・ヒビノの日比野晃久代表取締役社長は、東海大学の応用物理学科卒です。
日比野社長によると「非常にまじめなモノ作り屋をたくさん輩出する学校。
OB社長や役員を集めた「欅の会」というクラブは年に数回会合を開いており、若い経営者にも声をかけて参加を促しています。
会員は電機・技術系が多く、NHKやラジオ局で働いている人も多数在籍しています。
OB同士の紹介で仕事が回ってくることもよくあるそうです。
日本女子大学
総合ランキングでは圏外の229位ながら、女子大学としてはトップの218人を輩出しています。(2位は東京女子医科大学、3位は共立女子大学)
スリール・代表取締役の堀江敦子氏は日本女子大OGです。
卒業後に楽天に入社するも、女性のキャリアと子育てを別のこととして扱われる現実を見て、2010年、25歳で起業します。
子育てインターンの形をとって学生のキャリア支援を行っています。
日本女子大は本来、女性が社会で活躍することを目的として設立されました。
出産などで一度仕事から離れた女性を対象に、再教育と就職支援を行う「リカレント教育課程」を設けています。
1年間かけてITなど就職に必要な様々なスキルを身につけ、社会での活躍をサポートします。